皆さんは「英語を話せる」と言えますか? おそらく多くの人は「全く話せない」と言うでしょうし、中には「話そうと思えば話せる」と思う人もいるかもしれません。
でも、私の感覚で言えば——日本人の99.5%は英語を“話せていない”と思います。かく言う私もその一人です。
本記事では勉強法よりも、実際に海外で英語を使って生きる中で学んだ“マインドセット”を中心にお話しします。
目次
1. 私の英語力の実際
高校時代から英語は得意科目でした。ただし、学校英語は文法と読解が中心。リスニングは苦手、スピーキングなんて一度もしたことがありませんでした。
社会人になってからのスコアは以下の通りです。
- TOEIC:990点(2回受験/初回985→2回目990) … 上位0.3%
- IELTS:7.5(R9.0 / L7.5 / W6.5 / S6.0) … 上位約4%
数字だけ見れば“トップ層”に見えるでしょう。しかし——それでも全然、英語は話せません。 何度も挫折を繰り返し、心が折れたこともあります。
2. 私が経験した4つの挫折
挫折①:初めての海外(バックパッカー時代)
大学を卒業後、バックパッカーとして1年かけて世界を旅しました。それまで海外経験ゼロ。初めて降り立ったシンガポールでは、ホテルで「ウォントゥーステイワンナイト」と繰り返すのが精一杯。
旅を続けるうちに非ネイティブ同士の会話では拙い英語でも通じると実感しましたが、ネイティブだけは別世界。何を言っているのか本当にわからず、曖昧な笑顔でごまかすしかありませんでした。(これは今も変わりません…)
挫折②:スウェーデン人との商談
鉄鋼商社時代、スウェーデン人のお客様を日本の自動車メーカーに案内。頭が真っ白になり、相手の英語が理解できず言葉も出てこない。
沈黙する私を見かねて、彼がウィンクしながらスマートにフォローしてくれました。情けなさと同時に、その所作に心底惚れました。
挫折③:グローバル企業での会議
自動車メーカーに転職。上司の半分がヨーロッパ人で会議は常に英語。入社前の3ヶ月は毎日2時間オンライン英会話を続けましたが、現場ではやはり何も話せず。
ただ、徐々に気づきました。周りの日本人も意外と全然英語できない。 会議で使うフレーズは限られており、文法も発音もかなりラフでOK。思い切って“カタカナ英語”で話したら一気に楽に。完璧よりも伝達が大事だと実感しました。
挫折④:MBA留学での現実
「もう大丈夫」と思っていたところ、MBAで再び打ちのめされます。クラスの大半は英語が流暢な中国人や香港人。カタカナ英語では通じず、文法ミスも誤解される。
会社で通じていた英語は、実は“社内方言”だったと痛感。学術的な議論で意見を述べるには、単語・発音・文法のすべてが壁。まだまだ修行は続きます。
3. 「英語を話せる」とはどういうことか
英語力には段階があります。
- 旅行先で最低限の意思疎通ができるレベル
- 外資企業や大学でディスカッションできるレベル
- 英語圏で完全に暮らせるレベル
この「完全に暮らせるレベル」は、日本人にとっては果てしなく遠い。職場の中国人同僚には驚くほど日本語が上手い人がいますが、それでも専門用語や微妙なニュアンスは難しい。語学を極めるハードルは本当に高いと感じます。
また、著名人の英語について「カタカナでも堂々と話すのが大事」なのか「下手と言われても磨くべき」なのか、私も以前は前者寄りでした。しかし今は、英語は“意思疎通のツール”であり、聞き手に届く精度が必要だと考えます。深い人間関係や高度なビジネス議論では、やはり精度が問われます。
4. 英語からは逃れられない
それでも、逃げられません。英語は「世界で生きるための必須ツール」だからです。
私は「世界人(世界のどこでも自力で生きていける人間)」を目指しています。そのためには、英語で仕事も生活も問題なくこなせる必要があります。凡人には近道がないからこそ、コツコツ積み上げていくしかないのです。
5. 私の今の勉強法
最近は英語ドラマを教材にしています。MBAで痛感したのは、発音が本当に大事ということ。教科書で習った発音と、実際のネイティブのつながる英語(connected speech)はまるで別物です。
YouTubeの発音系チャンネルで、リスニングだけでなく口の動きやイントネーションを真似する学習が効果的です。
まとめ:テストの点数より、実戦あるのみ
TOEICやIELTSのスコアは、あくまで「通過点」。本当に大事なのは、英語で人と向き合い、自分の言葉で語ることです。
もし「英語が話せるようになりたい」と思うなら、まずは勇気を出してネイティブと話してみてください。私もおそらく、死ぬまで英語を学び続けるでしょう。それでもいい。なぜなら、その先に「世界で生きる自分」がいるからです。


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